【地方創生】書籍_地域再生の罠を読んで地元苫小牧市に思うこと-2

どうもいなぞ〜です。

 

今回は久繁哲之介さん著の「地域再生の罠」という書籍を読み

学んだ観点から、地元苫小牧市の活性化に生かせるのでは?と考えた点について

整理していこうと思います。

 

 

Contents

久繁哲之介さん著 「地域再生の罠」

 

社員を大切にしない会社は歪んでいく。それと同じように、市民を蔑ろする都市は必ず衰退する。どんなに立派な箱物や器を造っても、潤うのは一部の利害関係者だけで、地域に暮らす人々は幸福の果実を手にしていない。本書では、こうした「罠」のカラクリを解き明かし、市民が豊かになる地域社会と地方自治のあり方を提示する。

「BOOK」データベースより

 

この書籍で提言されている事が、あまりにも自分の地元苫小牧市にマッチしていました。

同じ様に、地方都市活性化を目論む方にも参考になれば幸いです。

 

 

第4章:間違いだらけの「地方自治と土建工学」が地方を衰退させる

この章ではコンパクトシティを導入した岐阜市の取り組みとして

「赤字だから」と市民の足(公共交通機関)を切り捨て駅前開発を進めた後の衰退についての説明と

「赤字でも残す」と路面電車を存続する決断した高岡市を対極的な事例として比較。

 

これについて「人より自動車が優先される都市は必ず衰退する」と述べている。

 

また、「コンパクトシティ」について先進事例として取り上げられている

富山市についての実情について述べつつ、西欧とライフスタイルが違う日本で

コンパクトシティ模倣は無謀と述べている。

 

 

苫小牧市に当てはまる部分

苫小牧では市営バスの赤字化から廃線〜道南バス(民間)が引き継ぎ

本数は減少した。(元々多かった訳でもないですが・・)

 

そもそも苫小牧は「人よりも自動車を優先している街」だな、と改めて気づく。

 

いやいや、苫小牧ってそもそも車社会だから と言えばそうかもしれないんですが

長い目で見るとその内運転できなくなる高齢者が沢山増えていく事も考えると

やっぱり人が移動する手段が潤っている方が絶対に良いに決まってる。

 

市の方でも駅前の再開発、コンパクトシティ化、ウォーカブルな街づくりを

検討しているものの、そもそもの「駅前に来やすい」仕掛けが必要ですよね。

 

すごくいいなと思う仕掛けは、厚真町でえぞ財団の成田さんが取り組んでいるMaaS。

 

 

サツドラさんが江差町で取り組んでいるMaaS。

 

 

行政ではなく、民間が、そして市民が一緒に快適な生活を創れる街になっていたいですね。

 

第5章:「地域再生の罠」を解き明かす

「地域再生関係者」「土建工学者」「自治体」の3者の視点から問題の所在を整理。

 

■地域再生関係者

①大型商業施設に依存し、大都市への憧れが高い。地域に「無いもの」をねだり、経済的な豊かさばかり求める。その結果、地域資源や心の豊かさを見失う

②経済的欲望の高さから、成功事例などハウツー論に飛びつく

 

■土建工学者

③地域再生関係者に成功事例の模倣を推奨する。だが、その多くが「実は成功していない」し、稀にある成功事例は、市民のニーズや価値観とは違う「遠い過去か異国」のものである。

④自らの理想とする都市政策や器を先に作り、市民がそれに合わせる事を強要する

 

■自治体

⑤専門家の上から目線による「成功事例」に価値を置き、市民目線と顧客志向に欠ける

⑥前例主義で「実は成功していない」前例を踏襲して、地域を衰退させる

⑦縦割り主義で各組織は連携せず、各組織の目的だけを叶える、効果の出ない施策を作る。しかも他組織の他施策との整合性に欠けて弊害を生む。その結果地域は衰退する。

 

①〜⑦に共通する本質的な問題として2点↓

 

1、「目に見える」「誰でもわかる」ものを偏重し、とりわけ「数値や力の大きい」ものや権威に依存する

2、「目に見えにくい」「気がつきにくい」本来価値あるものを軽視する

 

を述べて、その詳細について説明。

 

 

苫小牧に当てはまる部分

苫小牧の「目に見えにくい」「気がつきにくい」本来価値あるものとは・・・

 

・北海道では珍しく雪が少ないエリア
・なんだかんだ17万人いる(北海道第4位)
・空港からのアクセスが良い(電車は微妙かも…乗り換えあるから)
・陸海空全てのアクセスが可能
・海、山、川、湖など自然も周囲にある
・周辺に釣り場、ゴルフ場、キャンプ場、少し離れてスキー場あり
・海産物が美味しい(ホッキ以外は…どうでしょ)
・スイーツも美味しい(ハスカップが名産)
・アイスホッケーの文化が強い
・野球人気高い(駒苫の影響)
・コスプレ文化が根付き始めている

意外とあるな。自分も気づいていない魅力はまだまだあるはず。

 

苫小牧市民が魅力に気付けば市外の人に伝えられるのだろうか?

 

 

第6章:市民と地域が豊かになる「7つのビジョン」

①「私益より公益」

②「経済利益より人との交流」

③「立身出世より対等で心地よい交流」

④「器より市民が先に尊重される地域づくり」

⑤「市民の地域愛」

⑥「交流を促すスローフード」

⑦「心の拠り所となる居場所」

 

上記が見事にMuchした取り組みとして

・「コミケ」の文化、コミケになぜボランティアが集まるのか?

・「女性専用フィットネスクラブ」が何故支持されるのか?

・アメリカの「ワークライフバランス」がなぜ普及するのか?

・「FCバルセロナ」がなぜあそこまで地域に愛されているのか?

・「アルビレックス新潟」が生んだ地域愛

 

といった事例を踏まえて説明。

 

 

苫小牧に当てはまる部分

これはまさに今、苫小牧市を盛り上げようと集っている方々の

ビジョンに見事にMuchしているな、と思った次第です。

 

特に感じたのは「とまこまいWEB商店会」での取り組みです。

 

個人の利益ではなく、苫小牧に縁のある方みんなが良くなれば…の思いから

数名の方が立ち上がってる。そこに賛同してくれる人との交流が生まれる。

そこには対等で心地よい空間がある。器などは用意せずWEB上でスピーディにやる。

間違いなく、「地域愛」で生まれた動きだと思うんです。

 

 

第7章:具体的な提言

上記ビジョンを具現化するための提言として3つ提示。

①食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる

②街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る

③公的支援は交流を促す公益空間に集中する

 

3つそれぞれの提言内容を解説。

 

 

苫小牧に当てはまる部分

①食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる

苫小牧のグルメって、「パッと食べて、パッと帰る」的な物が多い気が。。

 

「子供を中心として親子が交流する場」のイメージで

食べておしまいではなくて、食べるまでの過程を楽しめる場所があったらいいですね〜

 

例えば海で釣った魚をぷらっと市場で捌いてもらう(もしくは捌き方教えてくれる)

→それ以外にもお好きな刺身トッピング等、選ぶ楽しみ創出〜など。

 

本当は港<駅前にそういった楽しめるお店があると良いですよね〜

函館駅前の市場の様に、駅を降りると「港町に来たなぁ」と体感できるようなイメージです。

 

 

②街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る

ここで言いたいのは「顧客を地域全体で共有」「市民の街中回遊を仕掛ける」

「スポーツクラブは交流を促し、近隣施設に消費と賑わいをもたらす」という点。

 

なので、スポーツクラブではなくても交流が生まれる場であれば良いのかと。

例えばコワーキングスペースの様なイメージ。

 

駅前には、とまこまいBASEさんがあったり、市民の憩いの場正光寺さんがあったり

スポーツクラブも点々とあると思うのですが、

 

「顧客を地域全体で共有」「市民の街中回遊を仕掛ける」が弱くて

結果、近隣施設に消費と賑わいがもたらされてない…

 

今ある施設を活用しながら、地域連携して消費と賑わいをもたらしたいですね。

 

 

③公的支援は交流を促す公益空間に集中する

第四章でも触れたんですが、公共交通機関のメインはバスでしかも本数が少ないとなれば

「待ち時間が長い!」という事になるんですが、ここを逆手に取れないか。

 

駅前やバスロータリーに「余計なお金と気を使わないでくつろげる居場所」が欲しい。

こういった戦略的赤字施設を公的支援を集中させたいところ。

 

 

最後に

久繁さんの述べている地域再生に関するポイントは現場感があり

本当に的を得ており、納得度の高い内容となっていた。

 

他にも数冊出版しているのでそちらからも学びたいと思う。

 

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では、また。

 

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